枝毛や切れ毛、髪の乾燥やパサつきなど、髪のトラブルで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ドライヤーやヘアアイロン、紫外線やヘアカラー剤など髪が傷む原因はさまざまですが、髪のダメージを回復させるために効果的なのが「トリートメント」です。

市販のトリートメント剤も数多く販売されていますが、美容院でのトリートメントも人気になっています。今回は、トリートメントの基礎知識やリンス・コンディショナーとの違い、美容院でのトリートメントの効果などについて解説します。

そもそもトリートメントとは?

1950年頃までは、トリートメントはおろか、シャンプーも存在していませんでした。基本的に固形石鹸などを使用して髪を洗い、洗髪の頻度も週に1回ほどだったそうです。髪を洗う目的は洗浄と「フケ・かゆみ」の防止で、髪へのダメージなどはあまり意識されていませんでした。

トリートメントが誕生した背景

家庭にお風呂が普及すると洗髪の回数が増え、1960年に液体シャンプーが登場しました。液体シャンプーの登場により、さらに洗髪の頻度が高まりましたが、これと同時に髪のパサつきなど髪へのダメージを気にする方も増えてきました。

そのような中、髪をケアする製品として1970年代に登場したのが、リンス・コンディショナー・トリートメントです。髪の傷みに対する意識が高まるとともに、一般家庭に普及していきました。では、トリートメントとリンス・コンディショナーとでは、どのような違いがあるのでしょうか?

トリートメントとリンス・コンディショナーの違い

リンスは、初期のシャンプーに含まれていた石鹸カスによる髪のゴワゴワ感を取り除くために開発されました。
当初はレモン汁やお酢などの弱酸性の溶液を使用していましたが、現在は濡れた髪の表面につきやすい「カチオン性界面活性剤」、高級アルコールなどの油剤が使用されています。これらが髪の表面にあるキューティクルを包み込むことで髪をダメージから守り、指通りのよい滑らかな感触に仕上げてくれるのです。

さらにリンスには、傷んだ髪の補修や保護する成分も含まれています。また、コンディショナーはリンスとほぼ同じ効果があるため、リンスのことをコンディショナーと呼ぶ方も多いようです。

トリートメントは、傷んだ髪の修復や髪をダメージから守る目的で開発されました。成分はリンスとほぼ同じですが、保湿や保護の成分が多く配合され、さらにダメージで失われた髪の毛の成分を補うためにタンパク質が配合されています。

タンパク質は、主にコラーゲン・卵・白アルプミン・絹フィプロイン・ケラチンなどの加水分解物で、髪の毛に吸着して髪の毛を保護し、傷んだ部分を補修する効果が認められています。トリートメントは髪に潤いを与えるのと同時に、髪の中から髪を補修する画期的なヘアケア用品といえるでしょう。

一般的には、日常のヘアケアとしてコンディショナーを使用し、指の通りが悪かったりダメージを感じたりしたときには、トリートメントに代えることが多いようです。今やトリートメントはさまざまな種類の製品が販売され、ヘアケアには不可欠のものになっています。

トリートメントは、市販のトリートメント製品を使って自宅でも行えますが、美容室でやってもらうトリートメントもあります。では、美容室のトリートメントにはどうような効果があるのでしょうか?

サロントリートメントの効果

美容室で行うトリートメントを「サロントリートメント」と呼びますが、「効果が実感できない」など声も聞かれます。しかし、これは手触りがよいことがトリートメント効果のように思われていることが原因です。美容院のトリートメントは手触りもよくなりますが、髪の内部を補修して髪を弱酸性に戻すことが目的です。

手触り感は日々のシャンプーなどで落ちてしまいますが、髪の中ではしっかりと作用しています。また、
サロントリートメントには自宅のトリートメント以上の効果があります。

個人の髪質や状態に合わせたトリートメント

髪の毛をしっかり保護したり修復したりするためには、個人の髪質や髪の状態を知ることは大切です。しかし、自分の髪の状態というのは、簡単にチェックできるものではありません。

美容院の場合、個人の髪質や髪の状態をチェックしてからトリートメントを行います。特に髪のダメージが大きい方には、サロントリートメントがおすすめといえます。

ヘアカラーのダメージを軽減する

ヘアカラーによっても髪にダメージが与えられるため、このダメージを軽減させるためにもトリートメントをする必要があります。特に市販のカラー剤はトリートメント成分が比較的少なく、ダメージが残ったままになってしまうおそれがあります。しかし、プロの美容師はトリートメント成分が豊富に含まれているものを使用するため、不安なく施術を受けることができるでしょう。

まとめ

リンスやコンディショナーは、髪の表面を包み込むことで熱や摩擦などによるダメージを防ぐヘアケア用品です。一方、トリートメントは髪の中にタンパク質などの成分を入れることで傷んだ髪の補修や保護する働きがあり、カラーやパーマの際にも使われています。

美容室で行うサロントリートメントは個人の髪質や状態に合わせて行うため、セルフケアよりも高い効果が期待できます。ヘアカラーやパーマなどのダメージが気になる方は、一度サロントリートメントを試してみてはいかがでしょうか。