朝や日中は気にならなくても、夕方ごろから頭皮や髪がべたついてきてしまうと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。不快なうえに、ヘアスタイルも崩れてくるため、周囲の視線が気になってしまうことも少なくありません。今回は、頭皮や髪がべたつく原因とその対策について解説していきますので、お困りの方はぜひ参考にしてください。
頭皮や髪がべたつく原因
頭皮や髪がべたつく主な原因は、皮脂の過剰分泌と汗です。まずはなぜ皮脂と汗がべたつきの原因になっているのかを見ていきましょう。
皮脂の過剰分泌
頭皮の毛穴からは適量の皮脂が分泌され、頭皮や髪を乾燥から守る役割を果たしています。しかし、なんらかの原因で皮脂の量が増えてしまうと、頭皮や髪が次第にべたついていくようになります。
仮に皮脂が多くても、シャンプーで洗い流されていれば大きな問題にはなりません。しかし、シャンプーで余分な皮脂を落としていない場合、髪を乾かしたときにベタッとした印象になってしまいます。
皮脂は乾燥した地肌を守るために分泌されるので、洗浄力の強いシャンプーを使っていると皮脂が過剰分泌されてしまうこともあります。シャンプーのせいなのかは一概にはいえませんが、髪がべたつくからと洗いすぎてしまうのは禁物です。
汗のせいでべたついている
もう1つの原因として、汗のせいでべたついていることが挙げられます。べたつく汗の原因は、主にミネラルといわれています。
通常、汗腺からは水分だけを含んだ汗が出るような仕組みになっており、この状態の汗であれば特に気になることはありません。しかし、冷房の効いた部屋に長時間いることが多い、湯船に浸からないなど、汗をかかない生活を続けていると異常な発汗によってミネラルを含んだ汗が出てしまうようになります。
ミネラルを含んだ汗はねばねばしており、嫌なにおいを発するという特徴を持っています。化粧崩れが気になる、汗のにおいが気になるからと汗をかかないようにするのは逆効果なので注意しましょう。
頭皮のべたつきとにおいの関係
先ほども軽く触れましたが、皮脂の過剰分泌やミネラルを多く含んだ汗は、頭皮のべたつきだけではなく、悪臭の原因にもなります。ここからは、その理由について詳しく解説していきます。
皮脂の過剰分泌で常在菌が活発になる
頭皮には、マラセチア菌という常在菌が存在しています。皮脂が過剰分泌されるとマラセチア菌の活動が活発になり、においやべたつきが発生するようになります。
汗が皮脂と混ざって脂っぽいにおいになる
頭皮は汗をかきやすく、高温多湿になりやすいのが特徴です。特に髪が長い方は通気性が悪く、汗を拭いても湿っぽくなりやすいため注意が必要です。
また、汗は皮脂と混ざり合うと脂のようなにおいを発するようになります。このにおいは加齢臭の原因ともいわれているので、汗を頭皮に残さないことを意識しましょう。
頭皮や髪がべたつかない対策
ここからは具体的に、頭皮や髪がべたつきにくくする対策について解説していきます。以下の3つの方法から選び、できる範囲で実践してみてください。
1.お風呂で汗をかく
2.適度な運動をする
3.脂っこいものを控える
お風呂で汗をかく
過剰に分泌された皮脂をシャンプーで洗い流すことも大事ですが、まずは体の中から整えて皮脂の過剰分泌を抑える必要があります。そこでおすすめなのが、ゆっくりと湯船に浸かるという方法です。お風呂に浸かることで、以下のようなメリットが得られます。
・体温調節機能が整う
・デトックス効果が期待できる
・代謝を上げて血行をよくする
特に、40℃以下のお湯に20~30分浸かることで、じんわりと体を温めながら汗をかくことができます。さらに、自律神経を整えたり眠りにつきやすくなったりする効果も期待できます。注意点としては、入浴中には大量の水分が失われるため、入浴前後にコップ1杯の水を飲むようにしましょう。
適度な運動をする
普段から座っていることが多い、あまり歩かないという方は血行が悪くなっている可能性があります。同じ姿勢を長時間続けていると、頭皮に血液や栄養が行き渡りにくくなるため、意識的に運動するようにしましょう。
運動といっても、長時間のジョギングなどをいきなり始めるのはハードルが高く、時間的に難しいことも多いでしょう。そこでおすすめなのが、以下のような軽めの運動です。
・両手の指先を肩において、円を描くように肘を大きく回す(前後回し各10回)
・両足を肩幅より大きく開いて腰を落とし、太ももに手を置いて四股踏みをする(左右10回)
・その場でかかとを上げ下げする(10回程度)
主に、肩甲骨周り、お尻や太ももの筋肉、ふくらはぎの筋肉を動かすことで血流アップが期待できます。時間のない方でも簡単にできるので、ぜひチャレンジしてみましょう。
脂っこいものを控える
脂身の多いお肉やバター、揚げ物などを好んで食べる方は皮脂が過剰に分泌されている可能性があるので、以下の割合で脂肪分の量を調整してみてください。
【動物性の脂質:植物性や魚、ナッツ類から摂れる脂質=1:2】
また、以下のように油の種類を変えてみるのもよいでしょう。
・オリーブ油など酸化しにくい脂質を選ぶ
・間食にはオレイン酸が多く含まれているアーモンドやくるみなどのナッツ類を選ぶ
・EPAやDHAの豊富なマグロやサンマなどを食べる
日々の食生活を整えて、やっかいな頭皮のべたつきを抑えていきましょう。
まとめ
皮脂や汗などはどうしても出てしまうものなので、皮脂や汗の質を変えることに目を向ける必要があります。体が内側から整えば、頭皮のべたつきの解消はもちろん、髪質改善にもつながるでしょう。また、美容院で行っている頭皮洗浄などの施術を受けるのも有効なので、興味があれば一度試してみてはいかがでしょうか。